学びの糸を紡ぐ

自分なりになにかを身に着けていく過程をまとめたり、記録しておきたい心情を残したり。

橋爪大三郎『はじめての構造主義』を読んだ

どんな本?

感想

  • 構造とは、変換によって失われない性質。例えば、四角形を射影変換したとき、正方形だろうがそうでなかろうが、4つの線分に囲まれているという性質は変わらない。
  • 自分の仕事での思考方法が「構造主義的だなぁ」となんとなく感じることがあったんだけど、その感覚は概ねズレてないと思えて良かった。
    • (…でなく)こういう構造(制度や仕組み)のもとでこういう重力が働いてこうなっている、という話をよくするから。
    • もちろん会社組織は特定の人間主体の思考で作られているが、十分に考えられていなかったり時間が経って状況が変わったりすれば、それを作った当事者ではない人間からしたら、もはや無自覚に思考に影響を与える構造といえる(もはや"神話"と区別がつかない!)。
    • 逆に構造主義的な考え方をしていない人は、人間が主体的にがんばれば色々変えられるんだ!みたいな発想を持ちがちなのかもしれない。根性論を振りかざしたりしてしまったり、努力不足の自己責任論を押し付けたり。
    • そもそも構造というものを理解するには具体と抽象を分けて考える能力が必須(代数的構造とかその典型)なので、万人にできることではないんだな〜。
  • 構造が集団の思考を規定するんだから、構造を変えれば思考を変えられる、というのは色々と役立ちそう。特に仕事。
    • 例えば評価者への不満を持つ評価制度は、特定の個人と紐付いた評価制度だから発生するのであって、特定の個人が評価者とならない仕組みとすればそういう不満は発生しない、みたいな。ちょうどEMの役割の解体の話を考えていたので、つながった。
  • レヴィ=ストロースの神話分析は、恣意的に結論ありきでつじつまのあう構造と変換を選びとれそうに感じてしまった。十分条件は満たすが必要条件は満たさない構造を導出することになりそうじゃない?ここをちゃんと理解するには『野生の思考』を読まなければならなそうだ・・・。

from where?

  • 構造主義という名前だけ昔から聞いたことがあって、自分が構造主義という名前から感じる印象が実際の構造主義とどの程度似ているのか気になっており、ちゃんと学んでみたいと思っていた。

to where?