どんな本?
- 第一章では地理が歴史上人類に与えてきた影響を振り返りつつ、世の地政学者が地理をどう解釈しどのような理論を打ち出してきたかを説明している。
- 第二章第三章では、現在の世界がどうなっていて今後どうなりそうかを地政学的観点から解説している。
感想
- 地理という不変の構造は人間の動きに明らかな重力をもたらすので、地政学を学ぶと世界史の流れに蓋然性を感じ取れるようになってとても良い。
- 例えば中東は東からも西からも領土を狙われる位置にいるから必然的に戦争の絶えない地域だったし、今もそう。とか。全体観がわかる。
- 世界史の勉強、地政学を学ぶ前と後で見え方が大きく変わる。
- そういう意味で、この本を読んだことは自分にとって非常に大きな意味を持つ。出会えてよかった。
- 大局的に見れば地理的に自然な境界が統治の境界線と一致していくのが自然だが、人類はそれを認識せず(あるいは認識しつつも)領土争いを繰り返してきた、というのが構造主義的だなと思った。
- これを書いている今まさに、ロシアがウクライナに侵攻している。
- ロシアにとってウクライナがどういう意味を持つのか等についても書かれており、非常にタイムリー。
- 大国の戦争を産まれてから一度も経験したことがない自分にとって、ひとつの向き合い方のヒントを与えてくれるのが嬉しい。
- この本を読むために地球儀を買った。直径13cmの地球儀はコンパクトでとても良い。ついつい眺めてしまう。
from where?
- 昔から地政学という学問に興味があった。この本は歴史のことも現在のことも書いている比較的新しい本なので、良さそうだと思った。