学びの糸を紡ぐ

自分なりになにかを身に着けていく過程をまとめたり、記録しておきたい心情を残したり。

読書

米本和広『洗脳の楽園 ヤマギシ会という悲劇』を読んだ

洗脳の楽園 増補改訂版: ヤマギシ会という悲劇 (宝島社文庫)作者:米本 和広宝島社Amazon どんな本? 対立や争いごとのない、金の要らない幸福な農村―ユートピア社会の実現をめざしたはずの共同体は、いかにして崩壊に至ったか。人間の脆さとノンフィクション…

らいかーると『アナリシス・アイ』を読んだ

アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます (小学館新書)作者:らいかーると小学館Amazon 感想 サッカーを観戦する上で知っておくとより楽しめる戦術をざっくりと知ることができて良かった。(とはいえサッカーを観る機会はないが・・・。)…

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』1〜5(光文社古典新訳文庫)を読んだ

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)作者:ドストエフスキー光文社Amazon 読書の軌跡 (亀山郁夫『ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟 NHK100分de名著』読了:2024/01/01) 1巻読了:2024/02/21 2巻読了:2024/03/03 3巻読了:2024/03/13 4巻読了:20…

ほぼ日刊イトイ新聞『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』を読んだ

岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。作者:ほぼ日刊イトイ新聞株式会社ほぼ日Amazon 感想 人に優しくするのも、プログラマとして卓越しているのも、会社にとって合理的だと思ったらなんでもやるというのも、全て岩田さん自身がそれを望んでやっている…

斎藤孝『身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生』を読んだ

身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス)作者:齋藤 孝NHK出版Amazon 感想 ここ30年(書かれたのは2000年なので、これを自分が読んだ今となってはもう50年となる)で急激に日本特有の身体感覚が失われてしまっているというのはわかるし、それが…

pha『人生の土台となる読書』を読んだ

人生の土台となる読書 ーーダメな人間でも、生き延びるための「本の効用」ベスト30作者:phaダイヤモンド社Amazon 感想 良かった。この本は、「何者かになりたい人」のための読書案内ではなく「自分の人生をより良く生きたい人」のための読書案内だなと感じた…

真木悠介『気流の鳴る音』を読んだ(3回目)

これまでの読書ログ 1回目 2回目 振り返り 新年早々コロナになり、その後仕事やら何やらで生活のリズムが崩れ、疲れていた。 そういう時にこの本を読むと、心が洗われるようでとても良い効果がある。社会に、そして自分の人生にどのように対峙していきたいか…

亀山郁夫『ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟 NHK100分de名著』を読んだ

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2019年12月 (NHK100分de名著)作者:亀山 郁夫NHK出版Amazon どんな本? amazonより引用 世界文学史上、最高傑作の一つといわれる本作は、ドストエフスキーが人生の集大成として執筆した大長編小説である。家族・宗教…

2023年に読んだ本

過去分はこちら 2021年に読んだ本 - 学びの糸を紡ぐ 2022年に読んだ本 - 学びの糸を紡ぐ 2023年総評 評価 冊数 割合 ★★★★★ 2 10.0% ★★★★☆ 5 25.0% ★★★☆☆ 10 50.0% ★★☆☆☆ 2 10.0% ★☆☆☆☆ 1 5.0% 今年最も読んで良かったと思えた本は、立花隆『臨死体験』。 見…

マーク・ピーターセン『日本人の英語』を読んだ

日本人の英語 (岩波新書)作者:マーク・ピーターセン岩波書店Amazon どんな本? amazonから引用 「冷凍庫に入れる」はput it in the freezerなのに「電子レンジに入れる」だとput it in my microwave ovenとなる。どういう論理や感覚がこの英語表現を支えてい…

鶴見済『完全自殺マニュアル』を読んだ

完全自殺マニュアル作者:鶴見 済太田出版Amazon どんな本? amazonより引用 世紀末を生きる我々が最後に頼れるのは生命保険でも年金制度でもない。その気になればいつでも死ねるという安心感だ。…薬局で買えるクスリから、最も安楽に死ねる方法まで、聖書よ…

河合隼雄『ユング心理学入門』を読んだ

ユング心理学入門: 〈心理療法〉コレクション I (岩波現代文庫)作者:河合 隼雄岩波書店Amazon どんな本? amazonより引用 河合隼雄の処女作であり、日本で最初に著されたユング心理学の本格的入門書。河合心理学の出発点がわかる本であり、後に展開する重要…

真木悠介『時間の比較社会学』を読んだ(2回目)

前回 longtime1116.hatenablog.com 所感 相変わらず良かった。特に序章と結章は何度読んでも良い。 第4章、二度目だがかなり難しい部分があってまだ十分に理解できたとは言えない。プルーストの引用の箇所、理解できないことが多い。 メモ p13 第一に、抽象…

柄谷行人『憲法の無意識』を読んだ

憲法の無意識 (岩波新書)作者:柄谷 行人岩波書店Amazon どんな本? 柄谷行人が憲法九条について書いた本。 感想 ふむふむという感じで読んだ。交換様式論もわかりやすく具体例ありで説明されていて、理解が深まって良かった。 憲法に関する基礎的な成り立ち…

小林正人『この星の絵の具 [中] ダーフハース通り52』を読んだ

この星の絵の具: 中 ダーフハース通り52 (中)作者:正人, 小林アートダイバーAmazon どんな本? 画家・小林正人による自伝小説。3部作の2作目。 感想 2作目もとても良かった。 光の捉え方、光に対する感性があまりにも自分と違いすぎて驚く。もっと自然に対し…

大澤真幸『不可能性の時代』を読んだ

不可能性の時代 (岩波新書)作者:大澤 真幸岩波書店Amazon どんな本? ↓amazonより 「現実から逃避」するのではなく、むしろ「現実へと逃避」する者たち―。彼らはいったい何を求めているのか。戦後の「理想の時代」から、七〇年代以降の「虚構の時代」を経て…

寺山修司『青少年のための自殺学入門』を読んだ

青少年のための自殺学入門 (河出文庫―寺山修司コレクション)作者:寺山 修司河出書房新社Amazon どんな本? 「死ぬ自由くらいは自分で創造しよう。死の音楽、死神占い、死と賭博等の考察から、自殺機械の作り方、上手な遺書の書き方、動機の立て方、場所の選…

立花隆『臨死体験』を読んだ(上下巻)

臨死体験 上 (文春文庫)作者:立花 隆文藝春秋Amazon どんな本? 「科学はどこまで臨死体験の核心に迫りうるのか。生物学者や神経学者は、様々な実験や仮説によってそのメカニズムの解明に挑み、成果をあげてきた。しかし、なお謎は残る。蘇生した人々はなぜ…

松沢裕作『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』を読んだ

生きづらい明治社会――不安と競争の時代 (岩波ジュニア新書)作者:松沢 裕作岩波書店Amazon どんな本? 明治時代の厳しい社会を、現代の我々の置かれた状況と対比しつつ紹介していく。 メモ p63あたり 徳川慶喜は、大政奉還により一度天皇に政権を返還する姿勢…

古川昭夫『世にも美味しい数学 極限・整数・複素数の世界を味わう』

世にも美味しい数学作者:古川 昭夫,稲垣 裕子日本実業出版社Amazon どんな本? あのSEGの創設者の方が書いた、数学を楽しむ本。 感想 面白かった。 高校数学を履修した人が、高校数学では扱わない範囲の極限や複素数の話を、直感的に理解しながらざっくり学…

柄谷行人『世界共和国へ: 資本=ネーション=国家を超えて』を読んだ

世界共和国へ: 資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書)作者:柄谷 行人岩波書店Amazon どんな本?(amazonより引用) 「資本=ネーション=国家」という接合体に覆われた現在の世界からは、それを超えるための理念も想像力も失われてしまった。資本制とネーシ…

石井洋二郎『ブルデュー『ディスタンクシオン』講義』を読んだ

ブルデュー『ディスタンクシオン』講義作者:石井 洋二郎藤原書店Amazon どんな本? ディスタンクシオン翻訳者による解説本。原著と同じ章立てで進行していく。 感想 講義形式で非常に読みやすかった。 この社会を生きていると階級闘争に必然的に参加してしま…

大澤真幸『戦後思想の到達点: 柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る』を読んだ

戦後思想の到達点: 柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る (シリーズ・戦後思想のエッセンス)作者:行人, 柄谷,宗介, 見田,真幸, 大澤NHK出版Amazon 感想 見田宗介については大体主著は押さえていてわかっている、柄谷行人はさっぱり読んだことがない、…

川北 稔『砂糖の世界史』を読んだ

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)作者:川北 稔岩波書店Amazon 感想 良かった!こういうテーマ史みたいなのをたくさん読んでいくうちに世界史の流れを自分の中に定着させていけると嬉しい。受験世界史の勉強をちゃんとやる・・・みたいなのもやりたいが、それ…

森稔『ヒルズ 挑戦する都市』を読んだ

ヒルズ 挑戦する都市 (朝日新書 200)作者:森 稔朝日新聞出版Amazon どんな本? 六本木ヒルズ等を手掛けた森ビルの実質創業者が書いた、都市論 感想 目先の利益にとらわれず、信念を持って(理想を掲げて)都市を作り上げていく様子は、圧巻だった。 大学時代…

ジョージ・フリードマン『100年予測』を読んだ

100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者:ジョージ・フリードマン早川書房Amazon どんな本? アメリカ政府や多国籍企業に情報を売っているアメリカのインテリジェンス企業のトップの人間が書いた、地政学的な観点から長期的な未来を予測した本。 予…

真木悠介『気流の鳴る音』を読んだ(2回目)

# 前回 longtime1116.hatenablog.com# 所感 1回目に読んだときよりもはるかに理解しやすくなっていた。 『自我の起源』等、色々と見田さんの著作を読んで見田的世界観みたいなものが馴染んできているからかもしれない。メモを残しながら読もうかなと思ったが…

田村美葉 『すごいエスカレーター』を読んだ

すごいエスカレーター作者:田村 美葉エクスナレッジAmazon どんな本? 日本のベストエスカレーター40件を厳選してフルカラーで掲載している本。 感想 自分が好感をもっている、よく使うエスカレーターが4つも掲載されていた。いい気分になった。良いエスカレ…

廣松渉『哲学入門一歩前-モノからコトヘ』を読んだ

哲学入門一歩前-モノからコトヘ (講談社現代新書)作者:廣松 渉講談社Amazon どんな本? 「〈実体(モノ)〉的三項図式にかわり、現相世界を網のように織りなす〈関係(コト)〉的存立構制、その結節としてたち顕れる「私」とは、どのようなものか?量子論からイタ…

見田宗介『まなざしの地獄』を読んだ

まなざしの地獄作者:見田 宗介河出書房新社Amazon どんな本? 「日本中を震撼させた連続射殺事件を手がかりに、60~70年代の日本社会の階級構造と、それを支える個人の生の実存的意味を浮き彫りにした名論考」。(「日本中を震撼させた連続射殺事件」は、永…