学びの糸を紡ぐ

自分なりになにかを身に着けていく過程をまとめたり、記録しておきたい心情を残したり。

★★★☆☆

らいかーると『アナリシス・アイ』を読んだ

アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます (小学館新書)作者:らいかーると小学館Amazon 感想 サッカーを観戦する上で知っておくとより楽しめる戦術をざっくりと知ることができて良かった。(とはいえサッカーを観る機会はないが・・・。)…

ほぼ日刊イトイ新聞『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』を読んだ

岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。作者:ほぼ日刊イトイ新聞株式会社ほぼ日Amazon 感想 人に優しくするのも、プログラマとして卓越しているのも、会社にとって合理的だと思ったらなんでもやるというのも、全て岩田さん自身がそれを望んでやっている…

斎藤孝『身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生』を読んだ

身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス)作者:齋藤 孝NHK出版Amazon 感想 ここ30年(書かれたのは2000年なので、これを自分が読んだ今となってはもう50年となる)で急激に日本特有の身体感覚が失われてしまっているというのはわかるし、それが…

亀山郁夫『ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟 NHK100分de名著』を読んだ

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2019年12月 (NHK100分de名著)作者:亀山 郁夫NHK出版Amazon どんな本? amazonより引用 世界文学史上、最高傑作の一つといわれる本作は、ドストエフスキーが人生の集大成として執筆した大長編小説である。家族・宗教…

マーク・ピーターセン『日本人の英語』を読んだ

日本人の英語 (岩波新書)作者:マーク・ピーターセン岩波書店Amazon どんな本? amazonから引用 「冷凍庫に入れる」はput it in the freezerなのに「電子レンジに入れる」だとput it in my microwave ovenとなる。どういう論理や感覚がこの英語表現を支えてい…

柄谷行人『憲法の無意識』を読んだ

憲法の無意識 (岩波新書)作者:柄谷 行人岩波書店Amazon どんな本? 柄谷行人が憲法九条について書いた本。 感想 ふむふむという感じで読んだ。交換様式論もわかりやすく具体例ありで説明されていて、理解が深まって良かった。 憲法に関する基礎的な成り立ち…

大澤真幸『不可能性の時代』を読んだ

不可能性の時代 (岩波新書)作者:大澤 真幸岩波書店Amazon どんな本? ↓amazonより 「現実から逃避」するのではなく、むしろ「現実へと逃避」する者たち―。彼らはいったい何を求めているのか。戦後の「理想の時代」から、七〇年代以降の「虚構の時代」を経て…

松沢裕作『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』を読んだ

生きづらい明治社会――不安と競争の時代 (岩波ジュニア新書)作者:松沢 裕作岩波書店Amazon どんな本? 明治時代の厳しい社会を、現代の我々の置かれた状況と対比しつつ紹介していく。 メモ p63あたり 徳川慶喜は、大政奉還により一度天皇に政権を返還する姿勢…

古川昭夫『世にも美味しい数学 極限・整数・複素数の世界を味わう』

世にも美味しい数学作者:古川 昭夫,稲垣 裕子日本実業出版社Amazon どんな本? あのSEGの創設者の方が書いた、数学を楽しむ本。 感想 面白かった。 高校数学を履修した人が、高校数学では扱わない範囲の極限や複素数の話を、直感的に理解しながらざっくり学…

大澤真幸『戦後思想の到達点: 柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る』を読んだ

戦後思想の到達点: 柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る (シリーズ・戦後思想のエッセンス)作者:行人, 柄谷,宗介, 見田,真幸, 大澤NHK出版Amazon 感想 見田宗介については大体主著は押さえていてわかっている、柄谷行人はさっぱり読んだことがない、…

川北 稔『砂糖の世界史』を読んだ

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)作者:川北 稔岩波書店Amazon 感想 良かった!こういうテーマ史みたいなのをたくさん読んでいくうちに世界史の流れを自分の中に定着させていけると嬉しい。受験世界史の勉強をちゃんとやる・・・みたいなのもやりたいが、それ…

ジョージ・フリードマン『100年予測』を読んだ

100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者:ジョージ・フリードマン早川書房Amazon どんな本? アメリカ政府や多国籍企業に情報を売っているアメリカのインテリジェンス企業のトップの人間が書いた、地政学的な観点から長期的な未来を予測した本。 予…

廣松渉『哲学入門一歩前-モノからコトヘ』を読んだ

哲学入門一歩前-モノからコトヘ (講談社現代新書)作者:廣松 渉講談社Amazon どんな本? 「〈実体(モノ)〉的三項図式にかわり、現相世界を網のように織りなす〈関係(コト)〉的存立構制、その結節としてたち顕れる「私」とは、どのようなものか?量子論からイタ…

見田宗介『現代社会はどこに向かうか ― 高原の見晴らしを切り開くこと』を読んだ

現代社会はどこに向かうか――高原の見晴らしを切り開くこと (岩波新書)作者:見田 宗介岩波書店Amazon 感想 見田さんの本であるがゆえ、相変わらず読んでいて非常に気持の良い文章だった。 ロジスティクス曲線を人間に適用して考えたときにII期からIII期への転…

トルストイ『イワン・イリッチの死』を読んだ

イワン・イリッチの死 (岩波文庫)作者:トルストイ岩波書店Amazon どんな本? トルストイの小説。ハイデガーは「死」を描いた優れた書として挙げているらしい。 感想 仕事で自尊心を満たし、家庭は社交する他者に見栄えよいものとして虚栄心を満たし、それに…

ベティ・エドワーズ『脳の右側で描け』を読んだ

決定版 脳の右側で描け作者:ベティ・エドワーズ河出書房新社Amazon どんな本? まったく絵が描けない人でも、右脳を使って(左脳によるバイアスに騙されずに)うまくやることで、絵が描けるようになる!という本。 ピックアップメモ デッサンに必要な5つの知…

小田亮『レヴィ=ストロース入門』を読んだ

レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書)作者:小田 亮筑摩書房Amazon どんな本? 構造主義の祖であるレヴィ=ストロースについて書いている本。 ピックアップメモ 第1章 人類学者になるということ 人類学から社会科学への最も重要な貢献は、「真正さの水準」によ…

サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』を読んだ

ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)作者:サミュエル ベケット白水社Amazon どんな本? 劇作家サミュエル・ベケットによる戯曲。1952年初版。 感想 デカルトは「我思う、故に我あり」と言ったが、エストラゴン(ゴゴ)とヴラジーミル(ディディ)は考えない…

マイケル・S・ガザニガ『<わたし>はどこにあるのか ガザニガ脳科学講義』を読んだ

〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義作者:マイケル・S. ガザニガ紀伊國屋書店Amazon どんな本? 「ギフォード講義」の講演をもとにまとめられた本。「脳科学の足跡を辿りつつ、精神と脳の関係、自由意志と決定論、社会性と責任、法廷で使用され…

丸山俊一『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』を読んだ

岩井克人「欲望の貨幣論」を語る作者:丸山 俊一,NHK「欲望の資本主義」制作班東洋経済新報社Amazon どんな本? NHKで放送した番組「欲望の資本主義 特別編 欲望の貨幣論2019」(2019年7月14日放送)をベースに書籍化したもの ピックアップメモ 「貨幣を持つ…

橋爪大三郎『はじめての構造主義』を読んだ

はじめての構造主義 (講談社現代新書)作者:橋爪 大三郎講談社Amazon どんな本? 構造主義って何?祖であるレヴィ=ストロースの紹介を通じてざっくり解説。 感想 構造とは、変換によって失われない性質。例えば、四角形を射影変換したとき、正方形だろうがそ…

見田宗介『社会学入門 - 人間と社会の未来』を読んだ

社会学入門: 人間と社会の未来 (岩波新書)作者:見田 宗介岩波書店Amazon 気になったところピックアップ 生物は、はじめは少しずつ増殖し、ある時期急速に爆発的な増殖期を迎え、その環境容量の限界に接近すると再び増殖を減速し、やがて停止して安定平衡期に…

ポール・ブルーム『反共感論』を読んだ

反共感論―社会はいかに判断を誤るか作者:ポール・ブルーム白揚社Amazon どんな本? 共感は世の中で自明に重要視されることが多いが、本当にそうなの?そんなことないよ?と力強く一石を投じる。 サマリー 筆者は共感を、情動的共感と認知的共感に分ける。 情…

リチャード・ドーキンス『進化とはなにか』を読んだ

進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義作者:リチャード ドーキンス早川書房Amazon どんな本? 生き物が進化するとはどういうことなのか?原始生命はどのように鳥や人間といった生き物になっていったのか?をわかりやすく解説している本。 感想とメモ とても…

ゲーテ『ファウスト悲劇第二部(上・下)』(手塚富雄訳)を読んだ

ファウスト 悲劇第二部(上) (中公文庫)作者:ゲーテ中央公論新社Amazonファウスト 悲劇第二部(下) (中公文庫)作者:ゲーテ中央公論新社Amazon どんな本? 省略 感想 第一部と違って複数のエピソードが混ざり合って進んでいくので、読んでいて自分がまとも…

木田元『反哲学入門』を読んだ

反哲学入門 (新潮文庫)作者:元, 木田新潮社Amazon 要約的なメモ ソクラテス以前の思想家たちは、万物が自然と捉えていた。 ソクラテス・プラトンからヘーゲルまで(ニーチェ以前まで)では、「超自然的思考」を実践してきた。 自然の一部に過ぎない人間が、…

戸田山和久『哲学入門』を読んだ

哲学入門 (ちくま新書)作者:戸田山 和久筑摩書房Amazon どんな本? 「ありそでなさそでやっぱりあるもの」、例えば意味、機能、目的、自由、道徳・・・。 それを唯物論的・発生的・自然主義的観点から考える本。哲学する営みを追体験する感じの本で、哲学の…

有馬哲夫『児玉誉士夫 巨魁の昭和史』を読んだ

児玉誉士夫 巨魁の昭和史 (文春新書)作者:有馬 哲夫文藝春秋Amazon児玉誉士夫とその周辺の動きを追うだけで戦後の政争の動きをだいたい把握できてしまうのは、それほどの影響力を持っていたということだろう。政争の知略戦がリアルで面白かった。 現代では安…